DAZNが報道メディアに? 伊でニュース番組を配信
DAZNは、ギリシャを本拠とするメディア企業・Antenna Groupとの提携を発表しました。Antenna Groupは最近になってイタリア市場に進出しており、イタリアのDAZNでAntenna Groupが制作したニュース番組を配信するとのこと。
イタリアはDAZNがワールドカップの放映権を持っている国のひとつですが(他は日本とスペイン)、今回の発表で面白いのは、このニュース番組がスポーツに限らず、一般的な時事問題も取り扱うということです。DAZNはどこに行くのでしょうか?
DAZNとAntenna Groupは、1年前のFIFAクラブワールドカップで協業を始めました。Antenna傘下のギリシャの放送局「ANT1」に一部の試合をサブライセンスし、またストリーミング「ANT1+」を通じてDAZNのコンテンツを配信する契約を結んでいます。
その後、今年3月になって大きな動きがありました。Antennaがイタリアの大手メディアグループ「GEDI Gruppo Editoriale」を買収したのです。この中には、イタリアの大手新聞「La Repubblica」などが含まれています。
Antennaはイタリアで映像ニュースを展開する構想を持っており、その一環としてワールドカップの放映権を持つDAZNに目を付けました。多くの注目を集めているいまだからこそ、始める意味があるのです。
また、Antennaは「イタリア版CNN」を作りたいと考えているようで、CNNの親会社であるWBDと交渉しているとのこと。もし実現すれば、DAZNを通じて配信するニュースはよりデジタル向けに、CNNではより重厚な内容に分かれていくものと推測されます。
さて、Anttenaが買収したGEDIですが、前所有者はイタリアの財閥・アニェッリ家の資産管理会社「エクソール(Exor)」でした。自動車のフィアット(現ステランティス)の創業者としても知られ、系列企業にはフェラーリ、そしてセリエAのユヴェントスなどがあります。
2022年、不正会計疑惑に揺れたユヴェントスは役員が総辞職。代わってCEOに就任したのが、GEDIのスカナヴィーノ会長でした。その後GEDIを離れ、ユヴェントスの立て直しに尽力しましたが、昨年11月に任期満了で退任しています。
その直後の昨年12月、ユヴェントスに激震が起こります。市場でユヴェントスの株式を買い集め、第2位の株主となっていた暗号資産の会社・テザー(Tether)が買収を提案してきたのです。
Exorにとってユヴェントスは魂同然であり、オファーが来ること自体が大変な恥です。当然却下したのですが、Exor傘下の企業グループが再編を迫られているのも事実です。結果としてGEDIの売却につながっていきます。
売却によりGEDIとユヴェントスの縁はなくなりました。しかし、今度はセリエAの国内放映権を持つDAZNとの縁ができたわけです。あまりにも複雑すぎてよく分かりませんけど、なんかいろいろなことが起こりそうな予感だけはします。
DAZNはもともと「Goal.com」や「Sporting News」といったメディアを傘下に持っていましたが、コロナ禍による経営危機で売却しています。
その後、自社サイトで「DAZN News」を始めたりもしていますが、再度メディアに本格参入することはあるでしょうか。そして、その場合スポーツの枠を飛び越えていくのでしょうか。スポーツ特化では限界があると経営陣が考えているのだとしたら、これもまた気になる材料です。
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