エムバペ選手の発言がもとで繰り広げられている、中国によるラ・リーガのボイコット騒動。本人やラ・リーガ側が謝罪したにも関わらず、事態は収束する兆しを見せておりません。
具体的なラ・リーガの損害ですが、CMG(China Media Group)と結んでいる放映権料が年間5,000万ユーロ程度とされており、他のスポンサー契約などを含むと年間5,800万ユーロの収益をあげているとのこと。レアル側もグッズのロイヤリティなどで数百万ユーロの収益を得ているそうです。
ラ・リーガ全体の放映権料は、スペイン国内で年間12.2億ユーロ、国外で8.3億ユーロ、合計で20.6億ユーロとなっています。そのうち5,000万ユーロというのは、割合としてはさほど大きくないかもしれませんが、金額としては大きいです。
今後長期化する可能性も高いです。2019年10月、NBAヒューストン・ロケッツのオーナーが香港の市民活動を支持する発言をしたことに端を発した騒動では、およそ1年にわたってNBAの放送が打ち切られました。
2021年11月、中国の彭帥選手が政府高官から性的関係を強要されたと発言し、その後消息不明となった件では、WTAが中国国内でのツアー開催を取りやめましたが、2023年4月にとくに手打ちした様子もないまま再開しています。
NBAはどちらかと言えば中国の圧力に屈しなかった例であり、WTAは屈した例だと言えるでしょう。今回がどちらに転ぶかはまだ分かりませんが、平気で政治カードにする国を相手にしていることだけは肝に銘じておく必要があります。
アジアでは中国よりも中東市場のほうが伸びていますが、こちらも紛争が生じており、イベント開催が危ぶまれていることはご存じの通りです。結局のところ、複数の市場でバランスをとり、リスクをヘッジしていくしかありません。
そんな中でも、ラ・リーガにはひとつ明るい材料が。先日10/25(日)に開催された「エル・クラシコ」ことバルサvs.レアル戦が、アメリカで240万人の視聴者数を記録し、昨年の2倍以上になったとのことです。(英語とスペイン語チャンネルの合計)
やはりアメリカ市場が頼みの綱になるのでしょうか。だとすると、昨年は断念に追い込まれたシーズン公式戦のアメリカ開催も再浮上してくるかもしれません。
ちなみにアメリカにおけるラ・リーガの放映権はESPNが持っており、2028-29シーズンまでの契約です。放映権料は年間1.75億ドル(約1.56億ユーロ)とされていますので、中国のおよそ3倍ということになります。