プレミア&FA杯、次期放映権の予想。

先日お伝えした通り、プレミアリーグとFAカップの次期放映権について、日本と韓国で同時に入札が行われているようです。1回目の締め切りは4月22日に設定されており、内々ではすでに勝者が決まっているかもしれません。

前回のプレミアリーグの入札は、2022年1月20日に締め切られています。今回はそこから9か月ほど前倒しになった計算です。正直なところ心の準備ができていません。


改めて予想っぽいことを書こうと思いますが、材料が不足していることは否めません。また、先ほど書いた通りもう勝者が決まっているかもしれませんので、予想と称するのもなんかおこがましいような気がします。ただ、1回目の入札ですんなり決着する可能性は低いとみています。

当然ながら、本命は現在プレミア・FA杯ともに日韓で権利を押さえているSPOTV NOW(Eclat Media Group)ということになるのですが、以下のような不安材料があります。今回も日韓が同じタイミングでの入札になったことで、二正面作戦は難しいかもしれません。

  • 入札が前倒しになったことで、現サイクル(3年間)の収支見通しが不透明
  • 日本では円安が進んでいる
  • 韓国ではクーパンプレイやTVINGなどが台頭し競争激化


もし二正面作戦が難しいとなれば、本国である韓国のほうに予算を振り分けることになるでしょう。もし日本で落札に失敗することがあれば、このシナリオが有力です。


昨年、ラ・リーガの放映権をDAZNとU-NEXTが共同で獲得しました。この流れに沿って、1社ではカバーできないのであれば、2社が連合を組むというシナリオも大いに考えられます。SPOTV NOWが組むとすれば、プレミアリーグとMLBのサブライセンスを出しているABEMAや、「SPOTV NOWパック」を提供しているU-NEXTが候補にあがるでしょう。まさかのDAZNという可能性もゼロではありません。

もしSPOTV NOWが脱落するとすれば、次点の候補はDAZNとU-NEXTであり、ラ・リーガと同様に連合を組むことは充分考えられます。ただ、DAZNはとにかく予算がありません。U-NEXTは業績好調ですが、プレミアとダブルで獲得するのは負担が重いです。


スポーツ専門サービスであるDAZNとは異なり、U-NEXTにとってシーズンも試合の時間帯も重なっている欧州サッカーの複数リーグを獲得するのは割が合いません。プレミアよりも、平日開催が中心である欧州CL/ELを狙ったほうがよいかもしれません。U-NEXTが海外サッカーファンを根こそぎ獲得するという強い意志を持っているのであれば話は別ですが・・・


今年から提携しているDAZNとABEMAが組むという展開もあり得ます、ABEMAにとっては共同で権利を獲得するよりも、SPOTV NOWと同様サブライセンスのほうが効率がよいと考えるかもしれません。ABEMAを無料配信のプラットフォームとして活用してもらい、各サービスとは等距離外交の姿勢で臨むほうが現実的に思えます。

ダークホースとなるのは、赤字覚悟で大金を突っ込めるところでしょう。そうなると必然的に浮上するのが楽天です。


昨年「NBA Rakuten」を楽天モバイル契約者にバンドルし、通常ブランは値上げするという露骨な誘導施策を実施しました。かつてソフトバンクが「スポナビライブ」を開始したのと似ています。モバイル事業で数千億円単位の赤字を出している楽天にとって、数十億程度であればむしろ許容範囲かもしれません。

あとはDMMの名前もあげておきましょうか。昨年「DMM×DAZNホーダイ」を月2,980円で開始。今年から3,480円に値上げされましたが、それでもDAZNよりも安い料金設定で評価されています。そろそろ次の一手が欲しいところでしょう。

前回のSPOTV NOWと同様、外資の参入という点ではAmazonがクローズアップされますが、Amazonは基本的にその国において価値の高いスポーツを狙う戦略であり、日本ではこれまでボクシング(井上尚弥戦など)や野球(WBCなど)を獲得してきました。プレミアはもちろん価値の高いスポーツではありますが、これらに肩を並べるほどのファン層の広がりはなく、候補としてはあげづらいものがあります。


ただし、スウェーデンとデンマークではプレミアの権利を獲得したViaplayとサブライセンス契約を結んだというニュースが入っています。経営不振に陥っているViaplayの救済という意味合いはあるものの、他国のスポーツに手を出したケースは皆無ではありません。

これらの状況をふまえ、現在の予想は以下の通りとしておきます。プレミアが連合体での入札を認めているかも分からないため、サブライセンスの可能性込みとなります。ABEMAについては結果が出てから動きそうなのでいったん外してみました。


◎: SPOTV NOW

○: SPOTV NOWとU-NEXTの連合

▲: U-NEXTとDAZNの連合

△: SPOTV NOWとDAZNの連合

△: DAZNとDMMの連合

注: 楽天

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