「FIFA+」DAZNと来年統合へ。
FIFAは、「FIFA+」をDAZNと統合し、2026年にリニューアルオープンさせる計画を発表しました。
「Global Home of Football」と題された新しいサービスは、従来「FIFA+」で提供している世界各国の試合のライブ配信やドキュメンタリーに加え、ニュースやインタビューといった番組を提供するとのこと。基本的には従来同様無料で利用できますが、一部有料コンテンツも導入する予定です。
両者の統合は、昨年12月にクラブワールドカップの放映権をDAZNが獲得した際にすでに発表されているものです。6月の大会開催前には、FIFA+のドキュメンタリーなどがDAZNでも視聴できるようになりましたが、本格的な統合に向けてのスケジュールは示されていませんでした。
今回、「2026年」であることが明確に示されたのが新たな情報と言えます。おそらく、6月のFIFAワールドカップが開催される前には動きが出てくるのではないかと考えられます。
今回の発表はサウジアラビアで行われました。首都リヤドでは現在「未来投資イニシアチブ」というイベントが開催されており、FIFAのインファンティーノ会長も出席しています。
メディアの報道によると、インファンティーノ会長、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、そしてDAZNの親会社にあたるAccess Industriesのレン・ブラバトニク(Len Blavatnik)会長の三者が会談を持った後に、今回の発表があったとのことです。
FIFAのプレスリリースには3人が並んだ写真が載っています。左にインファンティーノ会長、右にブラバトニク会長、そして真ん中にサルマン皇太子と思われる人物が写っているのですが、なぜかプレスリリースでは名前が記されていません。謎です。
昨年6月、BloombergはFIFAが「FIFA+」の拡大に向けて最大20億ドルの資金調達を計画していると報じましたが、この計画は具体化されていません。ただ、DAZNも当時サウジと接触しており、今年に入って政府系の投資ファンド・SURJから10億ドルの投資を受けたことが明らかになっています。いま考えるとつながっていたのでしょう。
この10億ドルはクラブワールドカップの放映権獲得に使われたものとみられますが、もし昨年の報道が確かなものであれば、サウジ側にはさらに10億ドルを投資する余地が残されているとも言えます。また、ブラバトニク会長も引き続きDAZNを支援する姿勢を崩していないと考えられます。
FIFA+の前身とも言えるのが、サッカー特化型のライブ配信サービス「Mycujoo」です。2020年にMycujooはEleven Sportsに買収され、2022年にはEleven SportsがDAZNに買収されました。よって、FIFA+はすでにDAZNと深い関係にあったと言えますが、さらにサウジの資金も投入されて統合へと向かうことになります。
- 2020年11月: Eleven SportsがMycujooを買収
- 2022年4月: FIFA+がローンチ。Eleven Sportsが協力
- 2022年9月: DAZNがEleven Sportsを買収
- 2024年6月: FIFAが20億ドルの調達を計画と報道
- 2024年12月: DAZNがクラブワールドカップの放映権獲得。FIFA+との統合計画を発表
- 2025年2月: サウジの政府系ファンド・SURJがDAZNに10億ドルを投資
- 2025年6月: クラブワールドカップ開催。FIFA+の一部コンテンツがDAZNに
- 2025年10月: FIFA+とDAZNの統合は2026年と発表
サウジと言えば、2034年のワールドカップ開催が決定しています。人工都市・ネオム(NEOM)に建設を予定しているスタジアムのイメージが公開され、高層ビルの上に築かれた「スカイスタジアム」というぶっとんだ構想が示されていますので、これもあわせてお伝えしておきます。ほんまかいな、と言うしかないのですが・・・
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