【続報】DAZN、F1終了を認める。フジの採算性は?
今朝5時、フジテレビが2026年以降のF1放映権を独占契約したことを発表しましたが、13時にDAZNがそれに呼応する形でメッセージを出し、今シーズン限りでF1中継が終了することを認めています。
https://x.com/DAZN_JPN/status/1996791640355492230
DAZNはコンテンツが消えても公表しないといった評判がある中で、かなり素早い対応です。こう言われがちなのは、DAZNは守秘義務を頑なに遵守する傾向にあるのがひとつの要因ですが、今回のケースは他社の公表を受けてのものであり、堂々と言える状態です。
2日前の出来事ですが、角田選手のレギュラー参戦が消滅したニュースを受けて、DAZNのF1メイン実況を務めるサッシャさんがコメントしていました。読み返してみると、来年のF1について「1ファンでも見続ける」と書かれています。今年で契約が切れることは事前に分かっているとはいえ、サッシャさんはこの時点ですでに知っていたのかな・・・と、いまになって思いました。
https://x.com/sascha348/status/1995889909740306452
もちろんF1以外のモータースポーツや、サイクルロードレースも担当されていますので、今後もサッシャさんの実況を聞く機会は多いはずですが、いったんF1については最終戦でひと区切りとなります。単純に席が減るのです。
放映権料については明らかになっていません。アメリカではESPNが年間8,500万ドル、来年からのAppleは年間1.4億ドルといった話が出ていますが、これまで日本国内における放映権料が語られたことはありません。メディアの関心もなかったのでしょうが。
ただ、面白いのが日経新聞の谷口誠記者のポストです。昨日発表されたFIFAワールドカップを大幅に上回る金額だとしています。
https://x.com/MktTaniguchi/status/1996778712009003488
ワールドカップについては放映権料が350億円程度と報じられており、それをフジやDAZNを含む各社で分割する形です。なので、このうちフジがどの程度を負担するのかをまず推測する必要があり、そのうえでさらにF1の放映権料を推測することになります。推測が二重になれば、当然精度は落ちることをあらかじめご容赦ください。
前回の2022年大会の放映権料は諸説ありますが、200億円超といったところに落ち着きそうです。そのうち半分程度がABEMAで、残りをNHK・フジ・テレ朝が負担したとされます。NHKが21試合、フジとテレ朝が各10試合を放送しており、ざっくり計算すると 200億×1/2×10/41=約24億円ということになります。
2026年大会では試合総数が64→104に増えています。その分DAZNが多く負担する可能性もありますが、テレビ中継されるのは注目度の高い試合なので、割合としては前回のABEMAと今回のDAZNにそんな大きな差は出ないのではないかと勝手に推測します。
テレビ3局の放送数は58試合(NHK33・日テレ15・フジ10)なので、前回と同じ式に当てはめると 350億×1/2×10/58=約30億円 という計算です。あくまでも超ざっくりです。
F1の放映権料はこれを大幅に上回るということで、年間40~50億円に達する可能性があります。もちろんDAZNからの流入は見込めるものの、採算をとることができるのでしょうか。
衛星放送協会が公表しているフジテレビNEXTの視聴世帯数は24.5万件です(2023年9月時点)。DAZNからの流入で倍になったとして約50万件。一人当たり2万円を消費すると仮定すると、100億円程度の売上を獲得できる可能性はあります。まぁ、倍というのはかなり楽観的な予測ですけどね。
https://www.eiseihoso.org/ads/data.html
もちろん制作費などのコストは別にかかりますし、フジテレビNEXTの番組はF1だけではありませんから、単体で利益を出すのは難しいかと思いますが、フジテレビONE/TWO、そしてFODも含めるとなんとかなりそうかな・・・という気もします。そして、フジテレビがF1を保有し続けることで得られるブランドイメージは金額以上の価値があるでしょう。
あとはスポンサーの獲得です。ホンダはレッドブルからは離れますが、来年以降はアストンマーティンと組んで引き続き参戦します。そして、ハースと提携関係にあるトヨタも来年から関係を強化し、チーム名も「TGRハース」に変更します。
来年はいったん日本人ドライバー不在となりそうですが、フジが結んだ5年契約の中で再度日本のF1人気が盛り上がる可能性は充分あると考えられますし、そうなってほしいものです。
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