未決着のサッカー放映権。EURO・セリエA・リーグアンetc.
欧州CL/ELはWOWOWが継続。そして、2025-26シーズンからU-NEXTがプレミアリーグの放映権を獲得という大きなニュースも伝わってきましたが、現時点でまだ決着していないサッカー関連の日本向け放映権についてまとめておきます。
プレミアリーグの前回の入札は2022年1月20日が締め切りでした。今回は2024年4月22日であり、2年3か月しか経っていません。つまり、当初想定されたスケジュールから9か月ほど前倒しになっているのです。これは今シーズンが区切りであるFAカップとセットで入札を行うためですが、日本(および韓国)の業者にとっては予算の確保が大変だったものと想像されます。入札の戦略にも影響を与えたのではないでしょうか。
逆に言えば、プレミア(およびFAカップ)の行方が決まったことで、これまで動いていなかった他の放映権が動き出すことになります。玉突き状態で決まっていくかもしれません。
まず直近で決まっていないものと言えば、開幕まで1か月余りに迫っているEURO本大会、そしてコパ・アメリカです。これらについては、欧州CL/ELを取り上げた記事の中でも展望を書きました。
今シーズン(2023-24)限りで日本の放映権の区切りを迎えるものとしては以下があげられます。すべてDAZNが絡んでますね。DAZNはラ・リーガの放映権をU-NEXTと共同で確保しているものの、プレミアもU-NEXTに決まったとなれば、欧州サッカーに対してどのようなスタンスをとるべきなのか戦略を練り直さねばなりません。
- EFL & カラバオカップ: 現在はDAZN
- セリエA: 現在はDAZNとSPOTV NOW
- リーグ・アン: 現在はDAZN
EFLとカラバオカップは来シーズンから4年間のサイクルとなる見込みです。本国イギリスではSky Sportsが契約を更新。EFLで放送される試合数は4倍以上に増加し、カラバオカップは全試合の放送が実現します。しかし、国際映像についてはEFLは微増にとどまるとのことです。
DAZN的にはJリーグやAFCの放映権を活かすためには、日本人選手によりフォーカスする姿勢をとっていくことが想定されますが、その場合EFLは放送できるカードを選べない欠点があります。取りに行くならカラバオに全部突っ込むくらいの覚悟が必要です。
セリエAは1社独占ができない制約がありました。現在の契約では当初DAZNのみが配信していましたが、後にSPOTV NOWも加わっています。交互に2試合ずつのライブ独占権が与えられている形です。
次回のサイクルも3年となる見込みで、代理店も変わらずinfrontが担当。こうなると従来のポリシーが変わることは見込めず、またも非独占となるのでしょうか。ただ、プレミアを逃したSPOTV NOWにとっても戦略を大きく見直さざるを得ません。DAZNもSPOTV NOWも手を引くようなことがあると、事態は混沌としてきます。
リーグ・アンについてはさらに混迷を極めています。なにしろ本国フランスでの放映権がいまだに決着していないのです。一時はDAZNが優勢と報じられましたが、交渉は成立していません。エンバペ選手を始めとするスター選手の流出危機が影響しているとの見方も出ています。
※ちょうど今朝(5月11日)、エンバペ選手がPSGを退団するとの報道が出てきました。
よって、フランス国内で決着する前に国外での販売を開始せざるを得ない状態ですが、来シーズンの開幕まで3か月ほどしかありません。直前になってバタバタと決まっていく感じになりそうですが、国外で放映権料を増加させるという目論見は早くも黄色信号です。
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